アンコールの壮大な遺跡群は、どのようにして、いつ頃、またどのくらいの時間をかけて造られたのでしょうか。

これまで、歴史学者、特に碑文学者が、こうした点を明らかにしようと、多大な努力を積み重ねてきました。そして彼等のそうした努力のおかげで、アンコールの歴史の大きな枠組みだけは、少しずつ明確になりつつあるように思われます。しかし遺跡に関する細部にわたる疑問を解くためには、新しい理論的立場、研究方法、そして研究技術の導入が必要になってきます。

私たちは、考古学を自然、社会、人文科学にまたがる広範な総合科学としてとらえており、現代の考古学はこの点で大きな貢献ができると考えています。また、考古学調査のひとつの具体的な研究目的が、過去の復元という点にあり、このため元々は遺跡保存の技術と方法を開発してきた考古学が、長い間蓄積してきた知識と技術をアンコールの遺跡保存に役立てることは、大変有意義なことです。

この保存と修復のための当時の知識と技術の提供を第一義的な目的にして、アンコール期に関する細かな疑問点の解明に貢献したいと考えています。