都市計画学調査では現在のメコンデルタ一帯からカンボジア内陸を中心に紀元後〜15世紀頃までに繁栄したクメール王朝の都城史を多角的視点より分析し、ひいてはクメール王朝が最も繁栄した都城アンコール・トムの構成原理を解明することを目的としています。

9世紀より約600年もの間に6度に渡り王都の造営を繰り返し、うち450年間は同一区域が王宮として使われ続けたと考えられる王都ヤショダラプラ(現在のアンコール・トムを中心とした地域)の配置計画に関する従来の研究は断片的・概念的なものであり、計画の決定方法にまで踏み込むものではありませんでした。

我々はヤショダラプラの配置計画について考察するために、都城アンコール・トムの重要な都市施設である王宮前広場の構成原理、都城アンコール・トムの計画手順、アンコール地域の造営手順をGPS測量調査による正確な位置情報をもとに分析しています。また、同時に現在修復中のプラサート・スープラとそのテラス、アンコール・トム王宮前広場の整備方針を見出すために、歴史的調査や現代における利活用方法等を含め、幅広い視点からその将来像を検討しています。