「バイヨンシンポジウム」は、「バイヨン寺院全域の保存修復のマスタープラン」の策定へ向けたフレームワークについて議論するために、1996年に、JSAが主催、UNESCOが事務局を務める形で始められました。以後、アンコール遺跡の町シェムリアップにて年に1度の開催を続けています。バイヨンの保存修復のための技術的諸問題は、アンコール遺跡全体に関わりを持っているため、アンコール遺跡の保存修復に関わるすべての外国チームの参加を得て議論を重ねてきました。またこのシンポジウムは、世界の関連する先例に学び、アンコール遺跡の保存問題を世界的な視野から考えることを意図しています。具体的には、他の重要な遺跡の保存修復に関して注目すべき成果をあげ、貴重な経験を持つ、国際的専門家の積極的参加があったことです。

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2004年12月13日、14日シェムリアップのJSAオフィス中央ホールにて、第9回バイヨンシンポジウムが開催されました。

第9回バイヨンシンポジウムの目的は、バイヨンマスタープランの骨格となるバイヨン南経蔵の修復計画、そして内回廊・外回廊のレリーフの修復保存と中央塔の構造的安定化についての具体的指針を示すことと、バイヨン憲章の条文案の提示することでした。バイヨンマスタープランの最終完成へ向けての総合的なディスカッションも行われました。

シンポジウムの結論及び今後の課題として長期的視点にたったバイヨンの保存のために、地盤・地質工学や排水網に関する、モニタリングシステムの確立、緊急に中央塔の安全性の確保等の諸問題に取り組み、寺院全体の構造的安定性を保つことの必要性が提言されました。更にバイヨン南経蔵や浅浮彫り彫刻も調査研究、保存修復の緊急性について同意を得ました。またバイヨン憲章の位置づけも明確化されました。観光客への安全対策もAPSARAと共同で取り組むこと、そして多岐にわたる海外事例を参考にして、アンコールでの保存修復活動に応用できる技術を広く検討し続けることの重要性が再確認されました。

[プログラム]
セッションI(12月13日午後2時より)
 :「バイヨン寺院全域の保存修復への展望、バイヨンマスタープランとバイヨン憲章」
 (JSA中川武団長 他)
セッションII(12月14日午前9時30分より):「アンコールに関わる研究と保存活動報告」
 (APSARA副総裁ロス・ボラット氏、東京文化財研究所、シドニー大学他)
セッションIII(12月14日午後2時より):「インターナショナル・ケース・スタディ」
 (前ICOMOS会長ローランド・シルバ氏 他)

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