人材養成
人材養成のしくみ
JSA/JASAでは当初から、カンボジア国民自らの手による遺跡保存修復活動が実現されることを目指して支援を行っています。
・調査と修復計画の立案・実施・運営・報告等の事業管理を実施できる専門家
・実際の現場での修復作業に携わる各分野の技能工
を、日本人専門家や石工等の技術者と共に修復活動を行ないながら、OJT(On-the-Job-Training)で育成しています。
また、王立プノンペン芸術大学からの研修生(考古学・保存修復学)の受け入れや、世界各国での様々な研修への参加奨励など、若手専門家の発掘や育成に力を注いでいます。第3フェーズからはカンボジア人メンバーが、修復工事の主要な工程において中心となって現地作業を進めることができるようになっています。
専門家助手の養成
長期研修制度を終了した者や同等の経験・能力を有するカンボジア人が「書類・筆記・実技・面接の各試験」によって選考され、2~4年間、専門家の補助作業及び調査研究などを行う。
専門家の養成
専門家助手を経験したカンボジア人が「書類・筆記・実技・ 面接」によって選考され、 調査修復計画立案/現場指導/報告書の作成・発表を日常的に行う。
各種技能工の養成
考古学発掘技能者、測量技術者、石工技術者(石材の解体・加工・修復・仮組・再構築)、重機オペレーターなどの養成コースがある。
エキスパートについて
エキスパート紹介
xx
シェムリアップ事務所所長
xx
テクニカル・スタッフ
xx
テクニカル・スタッフ
xx
現場管理
xx
考古学スタッフ
エキスパートの作業
現場で作業員らを指揮監督
現場での技術的実務
専門家助手の指導
調査活動
現場・オフィスで打ち合わせ
他機関の人々との交流
計画書・報告書の作成
現地学生への現場解説
週末定例ミーティング
国際会議で発表
海外調査をこなすエキスパートたち
アンコールの起源を求めて
ベトナムへ
アンコールでの過去の修復情報を求めてインドへ
技能工について
技能工紹介
現在、JASAではサイトリーダー1名、現場スタッフ25名のカンボジア人技能員が従事しています。長年の現場経験により、各技能員は、石材加工や破損部材の修理、重機の操縦、図面の作成などのそれぞれが得意とする技術をもっています。
技能工の作業
1. 記録
解体された石材、散乱した石材等の情報(位置・形状・大きさ・材質・スケッチ・その特徴等)を記録します。
2. 解体・仮組・再構築
解体された部材を再構築する前に組み直し、その位置や寸法を確かめ再構築します。
3. 補修
既に壊れている部材を補修し、再利用します。
4. 加工
大型重機もチームワークにより操作します。
5. 切出
新たに新材が必要な場合はJSAが開発した遠く離れた石切場まで切り出しに行くこともあります。
6. 発掘・測量・実測図の作成
発掘調査は基礎的調査として非常に重要です。また、光波距離計測器やGPS計測器など、様々な精密測量器具を使いこなし、実測し、図面を作成します。
7. 遺物整理
現場から大量に出土する遺物。こうした遺物は専門スタッフの手により洗浄や接合、記録されます。
8. 浅浮き彫りの描き起こし
バイヨン寺院で慎重に浅浮き彫りを調査する技能工たちの丹念な手作業の末、完成した浅浮き彫りの線描画。
※(財)文化財保護振興財団の助成を得て浅浮き彫りの描き起こし作業を指導する日本人専門家を派遣しました。
記録
解体・仮組・再構築
補修
加工
重機操作
発掘・測量・実測図の作成
遺物整理
浅浮き彫りの描き起こし
各種研修について
短期研修
(王立プノンペン芸術大学)
第1、2フェーズにおいては(財)文化財保護振興財団の助成を得て、王立プノンペン芸術大学生のための学生研修制度を毎年設けていました。「考古学」「保存修復」の2コースがあり、毎回ことなる研究テーマに従って実践的なカリキュラムを組み、日本から専任講師が派遣されその指導にあたりました。
海外研修・留学で経験を積む
これまでに多くのカンボジア人専門家が京都大学、早稲田大学、九州大学等への留学や、各国専門機関にて海外研修を積んでいます。
他機関の研修生への指導
JSA/JASAでは、これまでにアプサラ機構やその他の修復隊から多くのカンボジア人専門家の出向研修を受け入れています。
タ・ネイ研修
毎年開催されたアプサラ機構が主催するタ・ネイ研修プログラム等に協力をしました。