第1~7回目のバイヨンシンポジウムシンポジウムでの主要な報告・議論項目は11の項に要約・分類することができました。「バイヨン寺院全域の保存修復のためのマスタープラン」の骨格の検討を始め、バイヨンの歴史や修復技術の研究だけでなく、バイヨンの存在意義、海外事例との比較研究を含め、多くの視点から「バイヨン」について議論がされました。
第1-7回シンポジウムでの主要な報告・議論項目 (1996-2002年)は以下の通りです。
■ バイヨン寺院全域の保存修復のためのマスタープラン
1-5.1:バイヨンマスタープランのコンセプト
1-5.2/7.2:バイヨンマスタープラン作成に向けて
1-7.1:遺構保存修復の方策
3-4.1:遺構保存の倫理に関して~奈良会議の視点~
3-6.2:バイヨンマスタープランの計画
4-5.2:バイヨンマスタープラン(案)
5-3.1.2:バイヨンマスタープラン最新情報
6-3.1:バイヨンマスタープラン(案)
7:バイヨンマスタープラン(案)
7:バイヨン憲章の作成に向けた活動に関して
■ バイヨンの歴史的研究
1-6.1:バイヨンの建築歴史
1-6.2:バイヨンでの発掘調査
1-6.3:バイヨンとその碑文
1-8.1:北経蔵のオリジナルの容貌に関して
3-2.2:バイヨンの歴史的様相
3-2.3:バイヨンの建築学的分析
4-5.3:バイヨン最上層テラスの尊顔に関して
5-3.1.5:バイヨン外回廊での発掘調査
5-4:バイヨン尊顔に関して
5-5:バイヨンバスレリーフ書き起こしに関して
6-4.1.1.1:JSAによるバイヨンでの一連の発掘調査に関して
6-4.1.1.3:バイヨンの信仰形態の変化に関して
■ バイヨンの修復技術研究
1-8.2:北経蔵の解体に関して
2-2.1:バイヨンJSAによる石材修復の方法
2-5.1:バイヨン北経蔵の基壇修復に関して
3-5.1:JSAバイヨン保存修復活動の近況報告
4-5.1:バイヨン中央祠堂の安定性に関して
4-7.2:アンコール観光のメモ
5-3.1.3:バイヨンの傾き傾向に関して
5-3.1.4:バイヨン維持管理に関して
7:バイヨン排水調査
■ カンボジア地域社会におけるバイヨンの意義
3-4.2:バイヨンの宗教的、人類学的様相
3-4.3:バイヨン修復の目的~将来的機能の観点から~
4-4.2:バイヨン文化的保存に向けて~他寺院との比較から~
4-4.3:生きた寺院としてのバイヨン保存修復(ディスカッション)
■ 人材養成と専門家寄与の意義
4-8:人材養成に関して(ディスカッション)
■ アンコールでの現場見学による保存修復課題への理解の深化
3-2.4:バイヨン見学ツアー(デュマルセ、クロードジャックによる案内)
5-3.1.1:バイヨンバスレリーフ見学
6-4.2:バイヨンとプラサートスープラ見学
7:JSAとGACPによるバイヨンでのレリーフ調査現場見学
7:APSARAと奈良文化財研究所によるプラサー
ト・トップ調査現場見学
7:APSARAとサントロ氏によるアンコールワット護岸修復現場見学
7:JSAによるアンコールワット最外周壁内北経蔵修復の現場見学
7:JSAによるバイヨンでの排水調査見学
■ 海外での参考事例の調査研究報告
2-6.2:文化的遺構のフォトモニタリングによるドキュメンテーション
2-8.1:遺構自然石の劣化と保存に関して
3-6.1:ノートルダムとストラスブルグの修復マスタープラン
4-7.1:ピサの斜塔とパヴィアの中世塔に関して
4-7.3:塔と地盤に関して~ピサの斜塔とアンコールの塔を通して~
4-7.4:ピサの斜塔についてのディスカッション
4-7.5:ローマ、パラツォセナトリオの修復レポート
5-7.1:ローマ、トラジャンコルムでの修復方法
5-7.2:タイ、パキスタン、シリアでの遺構保存の比較
6-5.1:ローマコロッセオに関して
6-5.2:ボロブドールでの保存修復に関して
6-5.3:奈良平城京での保存修復に関して
7:ケルン大聖堂の保存修復に関して
7:エルサルバドール、ジョイヤデセルンの保存修復に関して
7:レバノン、バルベックの保存修復に関して
■ アンコール地域での遺跡と歴史的資源の比較研究調査報告(遺構の調査研究)
1-9.1:遺構の維持管理に関して
2-2.2:王宮門損傷砂岩材の修復に関して
2-2.3:プリア・カーンでの砂岩材の修復及び交換に関して
2-2.4:プノンペン博物間の砂岩彫像のインベントリー
2-3.1:アンコール遺跡群の地質学的問題
2-3.2:土質被害を受けた遺構のモニタリングと補強~プレループを通して~
2-4.1:クメール遺跡での地固め基礎工事に関する報告
2-4.2:バプォーンにおける修復プログラム
2-6.1:ワットでの砂岩アプサラバスレリーフの保存修復と維持管理
3-5.2:クメール建築の構造的問題について
3-5.3:ワットバスレリーフの状態と修復
4-6.1:プレループ煉瓦塔に関して
4-6.2:スープラ修復のための構造調査
4-6.3:バプォーンの中央群に関して
4-6.4:プリア・コーでの6つの塔の保存修復
4-6.5:チャウサイデヴォダの中央聖壇の損害原因の分析
4-6.6:プリア・カンでの構造修復方法
4-6.7:王宮の塔状門に関する研究
6-5.4.2:アンコールワット彫像保存のための準備調査
5-6.1:タニ窯遺跡への提案
5-6.2:アンコール遺跡保存修復のための様々なアプローチ活動に関して
7:APSARAと奈良文化財研究所のアンコールでのジョイントプロジェクトに関して
■ アンコール地域での遺跡と歴史的資源の比較研究調査報告(歴史的都市基盤調査)
7:アンコール地域での水利研究
■ アンコール地域での遺跡と歴史的資源の比較研究調査報告(地域社会研究)
6-5.4.1:クメール民族の起源に関して
7:アンコール地域での集落の研究
■ アンコール地域での遺跡と歴史的資源の比較研究調査報告(マネージメント計画)
4-4.1:アンコール地域のサイトにおける保存と開発の課題
※数字はシンポジウムの次数と報告書の章番号を指す。(例:「4-4.3」は、第4回シンポジウムにて議論され、報告書4.3節に掲載の項目)