JSA / JASA

Japanese Government Team for Safeguarding Angkor
JAPAN-APSARA Safeguarding Angkor

日本国政府アンコール遺跡救済チーム

バイヨンマスタープラン

バイヨン寺院全域の保存修復のためのマスタープラン」の策定に向けた思い

アンコール・ワットがクメールの伝統における正統の歴史的集大成とすれば、バイヨンは、文字通り異端のチャンピオンです。クメールの歴史のみならず、世界建築史上の真にユニークな存在であるといっても過言ではありません。膨大な数の巨大な尊顔や回廊の浮き彫り装飾等によって醸成されるエネルギーと多様性に溢れる様相は、まさに稀有な独創性の結実と言わなければなりません。しかるに、バイヨンは半崩壊状態のままある中央塔を始めとしてアンコール遺跡の中でも最も危機に瀕した遺跡の一つであり、しかも、技術的にも最も修復の困難な遺跡であります。
なんとか、バイヨンをクメールのそして世界の未来へ受け継がせたい・・・、そこで、JSAは「バイヨン寺院全域の保存修復のためのマスタープラン」の策定作業に取り組み、その結果2005年6月に完成しました。この中に込められた内容は、これはバイヨンでの今後の取り組みに対する基本方針の提案でもあります。以下ではこの「バイヨン寺院全域の保存修復のためのマスタープラン」を策定した当時の基本理念を示します。(中川 武)

「バイヨン寺院全域の保存修復のための
 マスタープラン」の基本項目

No.1
1996年より毎年続けてきた、これまでのバイヨン・シンポジウムにおける発表、討論、リコメンデーション(提言)の集積である。バイヨン・シンポジウムはJSA主催であるが、UNESCOおよびAPSARAの支援のもとに、カンボジア人専門家、国際的専門家、アンコールで働く全てのチームに呼びかけて、バイヨンを中心としながらも、アンコール遺跡全体の保存の観点から、調査・研究、修復技術、活用方法にわたって幅広く議論を続けてきたものである。JSAのバイヨンに対する保存と活用の基本方針は、バイヨン・シンポジウムの成果を中心に現在策定中のバイヨン憲章によって提示し、今後とも幅広い議論を行っていきたい。

「バイヨンシンポジウム」は、「バイヨン寺院全域の保存修復のため のマスタープラン」の策定へ向けたフレームワークについて議論するために、1996年に、JSAが主催、UNESCOが事務局を務める形で始められました。以後、アンコール遺跡の町シェムリアップにて年に1度の開催を続けられました。バイヨンの保存修復のための技術的諸問題は、アンコール遺跡全体に関わりを持っているため、アンコール遺跡の保存修復に関わる、すべての外国チームの参加を得て議論を重ねてきました。また、このシンポジウムは、世界の関連する先例に学び、アンコール遺跡の保存問題を世界的な視野から考えることも意図しています。具体的には、他の重要な遺跡の保存修復に関して注目すべき成果をあげ、貴重な経験を持つ、国際的専門家の積極的参加があったことです。
「バイヨン寺院全域の保存修復のマスタープラン」は、

・ アンコール地域での保存修復活動
・ 「ベニス憲章」(1964年)
・ 「オーセンティシティに関する奈良ドキュメント」(1994年)
・ 世界の保存修復体験

などから学び、アジア並びに世界の文化遺産のこれからの保存修復のための指針となることも目指し、策定作業を進めました。

No.2
バイヨンに関する調査研究と劣化原因の分析、バイヨンの現状把握と修復に対する技術的指針。

バイヨン-アンコール・トム、アンコール遺跡全体の連関性について
(歴史的都市計画調査)

クメール王朝が最も繁栄した時代の都城アンコール・トムの構成原理を解 明するために、都城アンコール・トムの重要な都市施設である王宮前 広場の構成原理、都城アンコール・トムの計画手順、アンコール地域 の造営手順を測量調査による正確な位置情報をもとに分析していま す。具体的には、アンコール地域の遺構の分布をより正確に把握する ために,GPS(Global Positioning System)を用いています。精度の高い位置データを得、

 ・ 遺構の中心点
 ・ 遺構軸
 ・ 遺構軸の真北とのずれ
 ・ 目標物(山水、遺構、都市施設など)との方位性
 ・ 距離間(前時代の遺構、建物、軸線間など)

などの情報をもとに、考古学調査結果とも整合性をはかり、都市レベルでの視点から分析を続けています。

バイヨン寺院の現況に関する専門調査
1. バイヨン寺院における建築のインベントリー(建築学・考古学調査)

バイヨン寺院の現状を記録するとともに、その初期の姿を探り、建造の過程を明らかにする目的のもと、建築に残された多数の痕跡の精査を含めた寺院全体のインベントリーの作成と以下の作業を継続してきました。

(1)散乱石材の分類と同定作業
北経蔵の修復の際には、周辺に散乱していた膨大な数の石材について、装飾などの特徴をよく観察した上で分類し、残存部材に直接接合させることで当初材の判定と原位置の同定を行っています。

(2)発掘調査とロングトレンチの実施
バイヨン伽藍内回廊から外回廊を経て周回道路にいたる全長80mの長大なトレンチ発掘調査は、バイヨン研究史上最大規模であり、外回廊床下の暗渠施設や内回廊床下に密かに穿たれていた横穴など新発見の興味深い遺構とともに、伽藍の増改築過程、内外両回廊の構築工法、掘り込み地業の構造や範囲などを初めて考古学的に検証できたことなど、内外の研究者から大きな注目を集めました。

(3)排水システムの調査
雨水を排水するためのシステムが機能不全に陥ることは、塔の傾斜や回廊の基壇変位の一要因になると考えられます。これらの問題に適切に対処するため、排水システムの現状、その保存とメンテナンスを重要な課題として位置付けています。

2. 尊顔と浮彫り彫刻の意味すること(美術史調査)

チャンパの侵攻などの受難の時期を乗り越え、12世紀後半にジャヤヴァルマンVII世によって建立がはじめられたバイヨンは、国中の宗教的勢力に配慮し、国内のあらゆる神々の力を得ることを期待した国家寺院と考えられます。このような視座にたち、あらゆる彫刻モティーフからバイヨン寺院の性格を考察していこうと取り組んできました。その過程において、
(1)バイヨンの塔を飾る尊顔の性格および制作背景に関する調査
(2)バイヨンのペディメントや外壁などの諸彫刻に関する調査
(3)プノンペン国立博物館などに所蔵されるバイヨン期 の彫刻に関する調査を行いました。

3. バイヨンの高塔群の挙動観測(建築構造調査)

バイヨン塔の傾斜について、塔頂部と底部の中心点との差を測定し、その傾斜を算出することにより全体的な経年傾斜の傾向を調べています。これまでに38塔でこのような計測を行いました。また中央塔を囲む8つの副塔の内の6つについて、隣接する積み石の縦目地の間に微少変位計を設置して,目地の開きの経時変化を観測しています。その他にも、降雨量、風速、風向、温度、地下水位など、できるだけ継続してバイヨン全域の挙動観 測を実施してきました。

4. バイヨンとアンコール地域での地盤・地質調査と環境変化の観測
 (地盤・地質・環境調査)

バイヨンの北経蔵の内部盛土材の細砂~粘土質砂は良質ではあるものの、締堅め難いという問題がありました。往古どのような手法を用いたのか、実験や考古調査結果を分析して再現検討しました。また、アンコール地域で初めての80~90m深度にある岩盤までのボーリング調査を1994年に行い,地盤地質構造の把握に努めました。その後,このボーリング孔を利用して地下水位の変動を計測しています。また,温度・湿度・風速,風向,雨量といった環境変化の観測も進めています。広域的視点からは地盤水環境について、現在、水質は悪化しつつあり、シェムリアップ川には、乾季には最低水量も確保されておらず、水郷都市というイメージから次第に遠ざかりつつあります。

5. バイヨン様式建造物の建造時期判定のための 砂岩帯磁率の寄与(岩石学調査)

バイヨン様式を持つ遺跡に対して砂岩の帯磁率からその建造過程を明らかにするとともに遺跡間における建造時期の対比を行っています。特に、バイヨン形式の代表的な遺跡であるタ・プローム、プレア・カーン、バンテアイ・クデイおよびバイヨンにおいて詳細な帯磁率測定を行いました。その結果、バイヨン期では砂岩の帯磁率が時代とともに一定の変化を示すことが明らかとなり、それに基づき、他のバイヨン様式を もつ遺跡を含めてその建築順序を明らかにすることができました。

6. 生物がバイヨンに及ぼす影響(保存科学調査)

アンコール遺跡には、樹木、地衣類、藻類、微生物、シロアリ、コウモリ等に起因する生物被害が認められています。バイヨンは、地衣類に覆われていると言っても過言ではありません。そして、アンコール遺跡の石材には、黒変現象やスケーリング様劣化が存在しています。また、バイヨンの中央祠堂には多数のコウモリが生息しており、その周囲に配置された祠室にも生息し排泄物が散乱しています。さらに、バイヨン北経蔵の基壇にシロアリの侵入が認められており、不同沈下の原因の一つともなります。地衣類と藻類に関して、防地衣剤や防藻剤の効力の比較検討や成育制御効果および除去効果を数年間にわ たり観察・記録しています。

7. 地域住民とバイヨン、アンコール遺跡 (文化人類学・都市計画調査)

バイヨンでの保存修復だけでなく、地域住民にとって重要である、精神的、かつ社会的意義を探るために、カンボジアの地元の人々にとってアンコール遺跡はどのような意義を持っているのかを、周辺農村を対象に調査しました。これまで、遺跡と地域住民との関係について、詳細な実態は把握されて来ませんでした。住民の各住戸生活実態や地域に対する考え方をヒアリング調査等しました。また、歴史地理的視点に対して重要な情報を提供する地形と住居の関係について、一定の概略を明らかにすることができました。この知見は、今後遺跡の保存と活用のための住民参加の手法に対する大局的な方向性を確立するための資料としていきます。

バイヨン寺院の劣化・崩壊メカニズムについて
1. バイヨンの砂岩と浮き彫り彫刻の劣化

アンコール遺跡群に認められる砂岩石材の劣化プロセスの多くは共通しており、その原因には温度変化、水分、石材内に溶け込んだ塩類の析出などの物理化学的作用と、植物、地衣類、真菌類、細菌などの成育によってもたらされる生物学的作用などが挙げられます。劣化への対処策には、付着物の除去、石材の強化、撥水性の付加などが一般的ですが、特に年間を通じて高温多湿な当地においては、材料、工法ともに既存の技術では十分な対応ができない状態にあります。特にバイヨン寺院においては二重の回廊に描かれた長大 な浮き彫りの劣化が懸念されています。

2. バイヨンの中央塔の構造システム と塔状建造物の傾斜の原因

バイヨン寺院の伽藍には50以上の塔が林立し、それらが一体となって小山のような輪郭をなしています。そのなかでも寺院中央に高く聳える中央塔は、大変ユニークで重要なものといえます。中央塔のような切石積みの塔状構造物の安定性を、現況の観察、目地開きの計測、傾斜計による挙動観測などから考えると、次のような2つの基本的な崩壊の形態が考えられます。まず、塔の重心が移動することによって、塔の傾斜・転倒が発生するもの。このような傾向は、ピサの斜塔にも見ることができます。そして、石積み構造の切石が部分的に風化、あるいは変位することによって、次第に外側から剥離、落下が継続して発生するというものです。この種の崩壊は、やがては塔構造の全面的な破壊を引き起こす原因になることが 予測され、早急な対処が必要とされる重要な課題のひとつです。

3. バイヨン伽藍全体の崩壊状況

現状では,南経蔵を筆頭として、中央塔など崩壊の危険性が高い建造物も少なくありません。特に外回廊はゴープラの一部を除き、ほぼ全体にわたり屋蓋が崩れ落ちています。また壁面彫刻装飾が雨ざらしのまま放置され、彫刻表面の剥離や風化が年々進んでいるという状況です。崩壊の危険がある箇所については、仮設的なサポートを設置するなどの応急措置も講じられています。また遺跡から倒壊して周辺に散乱していた部材については、北経蔵周辺のものはJSAによって整理されましたが、その他は、伽藍内の各所に集積されています。どのエリアの散乱部材をどこに整理したのかという記録も現在まで発見されておらず、今後の修復作業にとって大きな困難の ひとつです。

4. バイヨン北経蔵修復後のモニタリング

修復を施された建造物が、その後どの程度長らえられるかは、修復工事終了後の維持管理作業によって大きく左右されます。修復前におけるバイヨン北経蔵の崩壊要因のひとつが、基壇内部の砂の移動、流出と、それに伴う基壇の不等沈下にあったことは明らかです。修復後、ふたたび崩壊の危機に至る場合も、その兆候として柱や壁体に沈下現象が認められる可能性が高いといえます。したがって、独立柱、壁付柱、そして壁体にマーキングを施して、修復後の沈下量の定期的な計測を行っています。また、その他の部位の挙動については、原則として年2回の定期検診を実施し、部材間の目地開き、修理箇所の亀裂、部材の破損など、新たな劣化が発生していないかどうかの確認を行い、必要な処置を施して います。

No.3
JSAの当時の三つの保存修復工事のサイトにおける体験と成果が、バイヨン全体の修復技法の基礎として採用される。

保存修復工事は、建築物の種類はもとより過去の構法や破損状況に大きく左右されるものです。JSAでは三つのサイトにおける修復 工事を通じて、それぞれ異なる修復技法を培ってきました。紋切り型の修復作業の枠をこえて、常に技法の調査・研鑽を心掛ける姿勢 はバイヨン寺院全域の修復に受け継がれます。

バイヨン寺院北経蔵の部分解体・再構築
(1994年11月~1999年9月)

〈 部分解体と再構築、 特に基壇部版築土層のオリジナリティーを尊重した上での改良構法の工夫 〉

壁体・屋根は不同沈下の影響で全体的に相当変形しており、解体・ 再構築が必要なことは明らかでした。しかし、基壇は東西両端で著しく不同沈下・変形しているものの、中央部では広い範囲にわたって比較的均等に少し沈下していただけだったため、中央部分を現況のまま残し、上部と両端部のみを解体する方法を採ることにしました。
また、基壇内部の版築土層には、オリジナル部と同等の強度と粘りを確保できる「たたき」を応用した方法を採用し、砂岩やラテライトを単なる化粧材としてではなく、従来通り構造材としての機能を持ちながら外観を形成することができました。
外観の保存と同時に構法のオリジナリティーを可能な限り尊重し、 かつ原構法のもつ構造的弱点をカバーする手法を修復に適用するのがJSAの命題でした。

アンコール・トム王宮前広場東縁のプラサート・スープラとそのテラスの修復
(2001年5月~2005年4月)

〈 塔傾斜の主要因であった地盤基礎までを含めた全解体再構築技法による修復 〉
〈 ラテライトブロック部材の修復と再利用 〉

崩壊が顕著であったN1塔の修復は、塔全体の崩壊および劣化の状 況を調査・分析することから始まりました。その結果、多くのアンコール遺跡の崩壊の原因が基壇基礎の構造にあると想定されることもあり、アンコールでは初めてとなる基壇基礎までも含めた全解体・再構築による修復方法が採用されました。塔の傾斜要因である基礎・基壇部分について本格的な発掘調査・解析を実施し、今後の保存修復にとって貴重な研究資料を成果として得ることができました。
また、損傷したラテライトブロックについては、破壊実験とモル タル試験などを通じて、再構築時に十分な強度と耐久性が与えられるよう適切な修復対処法をマニュアルとして確立してきました。

アンコール・ワットの最外周壁内にある北経蔵の修復
(1999年10月~2005年4月)

〈 既往修理の再修理 〉
〈 散乱砂岩材の修復と原位置復帰 〉

アンコール・ワット全域は既にモルタルやコンクリートを使用し た補修を受けていますが、JSAは伝統的構法と散乱状態で放置されていたオリジナルな部材を可能な限り修復し、原位置復帰の上、保存するという基本方針に基づき、新たに入手可能となった砂岩を使用し、既存修復部分と調節しながら本来の遺構の姿を回復したいと考えています。

No.4
この10年間(策定当時)のカンボジア人専門家および修復技能労働者の成長には目ざましいものがある。これを基本として、UNESCOの協力とAPSARAを中心とした国際協調体制の活用により、より持続性と広い展開が可能な修復体制を提案する。

JSAでは当初から、カンボジア国民自らの手による遺跡保存修復活 動が実現されることを目指して支援を行なっています。
 ・ 調査と修復計画の立案・実施・運営・報告ができる専門家
 ・ 実際の現場での修復に携わる各分野の技能工
以上を、日本人専門家やベテランの職人のもとで、共に修復活動を 行ないながら育成してきました。今後もこれら専門家及び技能工と共 に修復活動に取り組んでゆきます。

専門家養成

専門家助手:
長期研修制度を終了した者や同等の経験・能力を有するカンボジア人が「書類・筆記・実技・面接」によって選考され、2~4年間、専門家の補助作業及び調査研究などを行う

専門家:
専門家助手を経験したカンボジア人が「書類・筆記・実技・面接」によって選考され、調査修復計画立案/現場指導/報告書の作成・発表を日常的に行う

各種技能工養成

考古学発掘技能者、測量技術者、石工技術者(石材の解体・加工・修 復・仮組・再構築)、重機オペレーターなどの養成コースがある

また、王立プノンペン芸術大学やAPSARAからの継続的な研修生 (考古学・保存修復学)の受け入れや、世界各国での様々な研修への 参加奨励など、若手専門家の発掘や育成に力を注いでいます。

No.5
生きた信仰の場であり、観光の中心の一つでもあるバイヨンの現状を維持しながら、安全な修復工事との調和を獲得する。

修復工事時の安全性確保の重要性

部分的解体を伴う、修復工事は広いワークサイトを必要とします。また、高所での工事の安全のためには、重機の導入も欠かせません。バイヨンの信仰、及び観光面での重要性を考慮すると、修復工事期間と範囲は最小限のものにする必要があり、そのためには周到な計画性が求められます。

継続的なメンテナンスと小補修の重要性

アンコール遺跡崩壊の原因の一つは建物の構造的特質にふさわしいメンテナンスを放棄したことにあると考えられます。メンテナンスや清掃作業が長く中断されたとき、少しの石目地の隙間に植物が根を張り、建物内部の雨水の浸入を許してしまいます。JSAではバイヨン北経蔵修復工事完了後もバイヨン寺院全域においてメンテナンスと小補修を続けてきました。

No.6
保存修復事業のみならず、今後の活用計画も含めて、アンコール遺跡全体と理念的にも技術的にも協調し、その関係を深化・ 拡大させることが、バイヨンの保存修復のもう一つの重要な課題である。

バイヨンの保存修復事業は、当然のことながらそれだけで孤立したものではなく、人材養成、修復技術のあり方、遺跡景観の保存、そして観光ルートの面でアンコール・トムの中央寺院としての位置、さらにアンコール遺跡全体との相互補完関係などが求められます。

▶︎ バイヨン寺院全域の保存修復のためのマスタープランについて